夫婦円満に不妊治療をする秘訣 夫の当事者意識が鍵!
不妊治療では、夫婦が足並みを揃えて、協力し合うことが必要不可欠です。
とは言え、毎回クリニックには女性だけが通い、注射も内診も全部女性がうけ負う。
仕事から帰ってきた旦那に結果を報告するだけでは、なかなか男性は当事者意識を持ちにくいものです。
そう、この「当事者意識」をどう持ってもらうか?が、妊活中の夫婦円満のポイントだと思うのです。
そもそも、妊娠・出産・育児においても、女性の方が準備が早いもの。
お腹が大きくなる前から自分の身体の異変を感じ、命を感じている女性と、それをただ言葉で報告され、知識だけで理解している男性。
赤ちゃんが生まれた時も、女性は自分のお腹を傷めて命がけで産むけれど、男性は見ているだけ。
赤ちゃんが外の世界に出てきて「これが自分の子どもか…」と、そこで初めてパパになる人も多いはず。
女性は、妊娠した瞬間からママなのに。いや、もしかしたら妊活中から、ママ気分かも。
当事者意識の低い夫には、こんな本を読ませるのもいいかも(笑)
うちの夫は、妊活において、寄り添ってくれる良くできた夫だと思います。
その彼が一番難しいと言っていたのが、「当事者意識」でした。
やることがなさ過ぎて、ふと、「あれ?これは自分の子どもの話なのか? 妻が勝手にやってることなのか?」と思うらしいです。
一番の事件は、採卵日当日。
クリニックまで付き添ってもらい、その後は先生と面談。
採卵の報告を受け、体外受精か顕微受精か、方法を最終決定します。
当初から、先生からには「精子の状態が良くないので顕微授精。どうしても嫌だったら、もしたくさん採卵できた場合は、半分は顕微授精で半分は体外受精。全部体外受精は、可能性が低いからダメ」と言われていました。
結果的に採卵できた卵子は8個。
うちのクリニックの平均が11個なので、決して多いとは言えない数でした。
先生は全て顕微授精がいいのでは?と勧めてくれましたが、夫がこの場で大反対!
先生との面談で即決できそうになかったので、一度部屋を出て夫婦だけで改めて話し合いました。
体外受精だって人工的で嫌なのに、受精プロセスを人の手でやる顕微授精なんて大反対!何か間違いが起こる可能性を否定できない、と。
海外では顕微授精で生まれた子どもに障害が多いと報告されているという記事を読んだそうで、そういう意味でも大反対!
私は、というと。
採卵前は、夫の意見には賛成でした。障害児でもなんでもいいから産みたい!と胸を張って言える覚悟があるわけでもなく、もちろん安心安全な妊娠・出産がいいに決まっています。
顕微授精イコール、障害のリスクがあるとは、必ずしも言えず、日本ではその因果関係は明確ではありません。
リスクがあったとしても低い確率でしょうし、それをどう捉えるか?という問題です。
しかし、採卵が拷問のような激痛で、気が動転して大泣きしていた私は、「先生が、顕微授精の方が確率が高いというなら、全部顕微授精にする!」という気持ちでした。
あんな激痛に耐えて採卵した卵子を、一個でも無駄にしたくない!
もう二度と採卵なんか耐えられないのに、受精卵ができなかったら破滅的だ、と思っていました。
夫の意見を無視して、大泣きしながら「確率が高いなら全部顕微にする!」と主張。
もう少しで「通院するのも、痛い思いをするのも全部私なんだから、私が決める!!」と言うところでした。
それをぐっと堪えて、夫の話に耳を傾け、冷静に話し合おうと尽くしました。
大泣きしながらも、当初は顕微授精をできるだけ回避したいという意見を2人とも持っていたこと、受精卵を作ることが目的ではなく、安心して健康な赤ちゃんを産むことが目的であることを、何とか思い出すことができました。
最終的には、夫の強い熱意によって、全て顕微授精にすることは回避。
「顕微授精半分、体外受精半分」を選択することになりました。
痛みに耐えた自分の意見が通らなかったことを、直後は悔しく、後悔するような思いでしたが、徐々にこれで良かったと思えるようになりました。
夫は、全部体外受精にしたかったけれど、半分は顕微授精で良いと折れた。
私も、結果が出るかは不安だけれど、体外受精もやってみよう、と折れた。
痛み分けしたのだから、フェアだったと思えました。
そして、結果的には体外受精では3個、顕微授精では2個の受精卵ができ、自分たちの決断が正しかったと思えました。
もしそこで、「通院するのも、痛い思いをするのも全部私なんだから、私が決める!!」と口にしていたら、夫は「じゃあ、一人で好きにすれば」と言い返していたそうです。
自分の意見は一つも通らないなら、自分の不妊治療と言えない、と匙を投げていたと。
本当にその通りだな、と思います。
ついつい、女性は先生の話を聞いて、先生との信頼関係で方針を決めてしまいがちです。というか、スケジュールにしろ、使う薬にしろ、いつもその場で女性だけが「YES」と言わされています。
質問するのも、それは嫌だと主張するのも女性です。
でも夫にも詳しく話して、夫にも決めてもらう、一緒に決断する機会を作ることは、不妊治療では非常に大事なことだと、身を持って体験しました。
その後は、仕事がない日はやることがなくてもクリニックに同行してもらう、排卵誘発の自己注射を打つ(のを見ていてもらう)、移植周期でのエストラーナテープというエストロゲン補充のテープを貼ってもらう、など、敢えて手伝ってもらっています。
男性は、言い出せないだけで、実はそれなりに不妊治療に対して思うところがあるのかもしれません。
女性が必死になって通院すればするほど、口を出しにくくなるのかもしれません。
どうか、不妊治療で仲が悪くなりませんように…